「乳がんのこと.com」について

病気を正しく知ることは、
自分を守ることにつながるから

「乳がんのこと.com」は、乳がん患者さんに役立つ情報を発信するサイトです。 「再建手術の前に、体験者に話を聞きたかったけど出会えなかった」「情報探しの方法がわからない」「情報にアクセスできても信じていいのか不安」という声をよく耳にします。情報はあふれているのに、それらがどこにあって、どれが正確なのかわからず情報収集に必要以上に時間を要してしまうことも少なくありません。 ここでは、役立つ情報を正確に伝えることで患者さんをサポートしていきます。また、さまざまなピアサポートの活動情報を紹介し、支援する人、支援を必要とする人のマッチングの機会をつくっていきます。

※ピアサポートとは、同じような境遇や体験をもつ者同士が助け合うこと。
※セカンドオピニオンの提供や医療機関・医師の紹介は行っていません。

「私」について

情報、仲間、時間。
私を支えた3つの柱

乳がんの告知は37歳のとき、あまりにも突然でした。“乳がん”の事実も、大切な乳房にメスが入ることも、受け入れられないまま左胸の一部を切除し、放射線療法、7年におよぶホルモン療法を経験しました。

治療経過は順調でも、再発や次は他の病気になるかもしれないという漠然とした不安、また乳房の一部を失い女性としての欠落感を覚え、長い間前を向けずにいました。

そんな中、私は3つの“支え”に助けられました。
「乳がん体験者コーディネーター」という資格を取ろうと一念発起。講座を受講しエビデンスに基づく知識を得て乳がんを正しく理解したことで、自分は最善の治療を受けていると確信でき、治療や再発に対して過度な不安を抱かなくなりました。

もう一つは、私の不安に真剣に耳を傾け、ときには一緒に泣いてくれた仲間の存在。ツラいときに、ツライといえて、一人じゃないと思えたことが大きな救いに。病人ではなく、一人の女性として変わらず接してくれた仲間に感謝しています。

最後は時間です。乳がんを人生の一部として受け入れ、本当の意味で前を向くまでに5年ほどかかりました。不安にあらがわず時間の流れに身をゆだねてみたら、少しずつ落ち着きを取り戻し、この経験を誰かのために生かしたいと思えるようになりました。前を向くスピードは人それぞれ、今治療中の方にも「自分のペースで」と伝えたいです。

現在は、医療・ヘルスケア系ライターをしながら、横浜で乳がんの検診啓発や患者支援を行っています。

乳がん体験者コーディネーターとは
科学的根拠に基づいた乳がんの医療情報を学び、乳がんを告知された人にその情報を提供できる人材のこと。講座は、NPO法人キャンサーネットジャパン(CNJ)が行っている。

北林あい プロフィール画像

CNJ認定 乳がん体験者コーディネーター/フリーライター

北林あい

職歴

20代後半で独立、フリーライターとして活動。 旅・グルメ媒体を経て、現在は医療・ヘルスケア・ヨガなど、健康をテーマに各種媒体で取材・執筆を行う。

乳がん歴

2009年に37歳でステージⅠの乳頭腺管癌を発症。乳房温存術、放射線療法を経て、2016年にホルモン療法終了。

ピアサポート歴

・CNJ認定 乳がん体験者コーディネーター、ピンクリボンアドバイザー(中級)、メンタルケア心理士の資格を取得。

・湘南記念病院乳がんセンター(神奈川県・鎌倉市)で、乳がん患者の相談活動に従事。

・女性特有の疾病に関わる活動団体「ココカラプロジェクト」(http://cocokara-project.com/)のメンバーとして、神奈川県・横浜市を中心に乳がんの触診体験会、イベント・セミナー、フリーペーパーの発行などを行なっている。